6月9日には東京で今年初めての真夏日を観測し、本格的に熱中症対策が必要になってきました。
「もうそんな時期か」と思ってしまいますが、梅雨前のこの時期は急に暑くなって体が慣れてなかったり、まだ熱中症対策が万全でなかったりで、意外と熱中症を起こすことが多いのです。
去年(2019年)、町田市の学校でも集団で熱中症を発症することがありましたが、それも5月のことでした。
特に今年は、新型コロナウイルス感染症対策としてマスクを着用していることが多いと思いますので、例年以上に気をつける必要がありそうです。
(ブログ記事“子どもにもマスクは着けた方がいいの?”参照)
熱中症の原因は、体温上昇と水分不足・塩分不足にあります。
次の理由で、子どもは体温上昇と水分不足・塩分不足を起こしやすく、熱中症になりやすいのです。
【体温上昇】
・汗をかく機能が未発達で、汗が出るまでに時間がかかったり、十分に汗が出なかったりするため、体温調節がうまくできません。
・顔の高さが低いため、地面やアスファルトからの照り返しの影響を受けやすいです。暑い日にアスファルトの地面にしゃがんでみると、その暑さが体感できます。
・暑くても遊びに夢中になってしまい、日陰で休む・服装を調整するなどの行動がとれません。
【水分不足・塩分不足】
・体の水分量が多いことや、代謝が活発で体の中で常に水分を使っていることから、大人に比べて必要な水分量が多いです。
・自分ではこまめな水分・塩分補給ができません。
【乳幼児】
・外で遊ぶときは、薄着にする、通気性の良い涼しい服を着せる、帽子をかぶる、日陰に誘導するなどを心がけて、体温上昇を防ぎましょう。(今度、子どもの日焼け止めについての記事も書きますね。)
・こまめな水分補給を心がけましょう。(下記のQ&A参照)
・表情や顔色、汗、体温など、お子さんの様子を気にかけてあげましょう。
【学童】
・自ら水分補給ができるようになり、日常生活で熱中症になることは減りますが、スポーツの練習や試合、体育祭などのイベント、遠足や登山などの活動時に熱中症を起こすことが多いです。
・普段と異なる活動をするときには、無理をしないようにする、定期的に水分補給の時間を設ける、直射日光に当たらない、高温環境に長居しないなどの工夫をしましょう。
Q. 水分はイオン飲料が良いの?
A. はい、イオン飲料が良いです。塩分喪失も熱中症の原因になりますので、塩分が含まれた水分を摂ることが大事です。イオン飲料は、脱水予防に適切な塩分濃度に調整されており、効率よく水分と塩分を摂ることができます。
ただ、イオン飲料は、スポーツ飲料やジュースに比べるとやや塩分濃度が高く糖分が少なめです(少ししょっぱい)。水分をたくさん取れるように、お子さんの好みに合わせて飲みやすい飲み物を選択することも大事です。
Q. こまめな水分補給ってどれくらいあげればいいの?
A. 国立成育医療研究センターのホームページでは、
高温・運動時の水分補給については、もともと脱水がない状態であれば、9〜12歳では100〜250mLを20分毎、思春期では1時間で1〜1.5Lの経口補水が目安になります
と説明しています。
幼児期のお子さんの場合は、その時の気温や運動量、発汗量によって水分補給量が変わってくるので、具体的な量を説明できないのが実際のところです。
ただ、お子さんから「のどが渇いた」と訴えがなくても、外で遊んでいるときでも5〜10分おきに水分をとらせるようにすると、少しずつですが自ら飲んでくれるため、それで必要な水分量を補えていることが多いです。
体重の3%以上の水分(10kgのお子さんなら300mL)が失われると脱水になってしまい、熱中症を予防するためには、体重の2%以上の水分(10kgのお子さんなら200mL)が失われないようにすることが大事と言われています。
私は1歳の息子と公園に行くとき、汗をかきながら30分〜1時間ほど遊んだときは、その間に150mLくらいの水分を飲ませるようにしています。