お子さんが急に熱を出すと心配ですよね。
私もこれまでたくさんの熱のお子さんを診てきましたが、自分の子どもが熱を出すと不安になるものです。
しかしお子さんは急に熱を出し、「さっきまで元気だったのに…」というのはよくあることです。
お子さんが熱を出したことがある親御さんも、まだ経験がない親御さんも、
いざというときに慌てなくて済むように、おうちでの熱の対処を確認しておきましょう。
Q. 熱が出たとき、いつ病院を受診したらいいの?
A. クリニックが開いている時間に、一度かかりつけ小児科を受診してください。
新型コロナウイルスについて心配でクリニックを受診すべきか迷われるかと思いますが、お子さんの熱には早めの治療が必要な病気が隠れていることもありますので、熱が出た場合は一度かかりつけ小児科を受診されるといいでしょう。
夜間や休診日に熱が出た場合は、ぐったりしていないか、顔色は大丈夫か、水分がとれるか、遊べるか、眠れるかに注意して様子を見て、心配であれば急患こどもクリニックや救急病院を受診しましょう。
Q. 熱は下げたほうがいいの?
A. 無理に下げる必要はありませんが、水分や睡眠がとれなさそうなら熱を下げてあげましょう。
ウイルスやばい菌をやっつけるために熱を出しているため、無理に熱を下げる必要はありません。
高熱が原因で脳に障害が出ることはありませんので安心してください。
ただ、水分や睡眠がとれないと免疫力が下がってしまうため、熱のために眠れなかったり、水分がとれなかったりする場合は、体を冷やしたり、解熱薬を使ったりして熱を下げてあげるといいでしょう。
体を冷やすときは、アイスノンなどを使って首やワキ、股を冷やしてあげましょう。
冷却ジェルシートは、ひんやりして気持ちいいのですが、熱を下げる効果はありませんのでご注意ください。
Q. 解熱薬の使い方は?
A. 熱でつらそうなときや、就寝や食事の30-40分前に使ってあげましょう。
解熱薬には、飲み薬(粉薬、シロップ、錠剤)と坐薬があります。どれも効果は同じですので、使いやすいものを選びましょう。
よく使われるアセトアミノフェン(商品名:カロナール®、アンヒバ®)は、30-40分で効果が出現し、4-5時間で効果がなくなってきます。6時間以上間隔をあければ繰り返し使うことができます。
Q. けいれんを起こしたことがある場合、解熱薬を使わない方がいいと聞いたのですが?
A. 解熱薬を使っても大丈夫です。
以前は解熱薬を使って熱を下げるとけいれんが起きやすくなると考えられており、けいれんを起こしたことがあるお子さんには解熱薬を使わないこともありました。
しかし最近の研究で、解熱薬を使ってもけいれんの頻度は増えないことがわかっています。
逆に解熱薬にけいれんの予防効果もありません。
Q. 熱があるときはお風呂はやめた方がいいですか?
A. 元気がないときはやめておきましょう。
そもそも「熱があるときにお風呂をやめた方がいい」というのは、お風呂が外にあったり寒い廊下を通る必要があるような昔の住宅の場合、湯冷めして体調を悪くする可能性があるためそのように言われていました。
最近の住宅で入浴後の湯冷めの心配がなければ過度にお風呂を避ける必要はありません。
ただ、湯船に浸かって体を温めすぎると熱がこもって体力を消耗してしまいます。高熱があるときには、体を温めすぎないように注意してください。ぬるめのシャワーで汗を洗い流すのは問題ないでしょう。
当院では、Web予約をお取りいただくことで待ち時間を短くすることができます。また、駐車場の車の中でお待ちいただくことも可能です。
熱のことで気になることがあれば、何でもご相談ください。
本記事の内容を記載した「おうちでの熱の対処方法」のパンフレットをダウンロードいただけます。
ぜひご自宅でご活用ください。