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うみまちブログ

子どもの便秘 〜食べ物や薬はどうしたらいい?〜

お子さんのうんちのことで困っていませんか?

 

子どもの10人に1人以上が便秘と言われており、便秘で困っている子どもはたくさんいます。

しかし、どう対応したらいいかわからない親御さんも多いのではないでしょうか。

 

今回は「子どもの便秘」について、小児科専門医が解説します。

 


うちの子って便秘ですか?

 

うんちが週に3回以下、5日以上うんちが出ない、もしくはうんちの時に痛がるなどの症状があるときに便秘と言われます。

しかし、うんちが3日に1回でも大丈夫な子もいれば、毎日出てるけど少量ずつしか出ておらずうんちが溜まってしまう子もいます。

 

便秘は「たいしたことない」と考えられがちですが、うんちで痛い思いやつらい思いをしたり元気がなくなったり心に影響が出たりと、決してそのままにしておいてよいものではありません

うんちのことで少しでも気になっていることがあれば、かかりつけの小児科で相談されることをお勧めします。

 


便秘の原因は?

 

子どもが便秘になりやすいタイミングがあります。それは、生後3-4ヶ月までの赤ちゃん、1歳過ぎ、2-3歳です。

 

生後3-4ヶ月までの赤ちゃんは、お腹の力が弱いためうんちを出す力が乏しく、うんちは硬くないけど回数が少なくなって、お腹が張ってしまうことがあります。お腹や肛門、自律神経に生まれつきの病気が隠れていないか診察が必要なこともあります。また、お腹が張ってミルクの量が減ったり、吐き戻しが増えたりして困ることがあります。

 

1歳過ぎのお子さんは、離乳食から幼児食への切り替わり自我の芽生えによるうんちの我慢運動増加による水分不足などにより便秘になりやすい時期です。

 

2-3歳のお子さんは、トイレットトレーニングのためうんちを我慢してしまう、うんちが固くて出すのを嫌がる・痛くて出すのを嫌がる、といったことから重度の便秘になることもあります。

 


便秘のふたつの悪循環

 

うんちを出さずに溜めてしまうと、お腹の中でうんちが固くなり、出しづらかったりうんちの時に痛かったりしてさらにうんちを溜めてしまいます。このようにうんちが出づらい悪循環に陥ってしまいます。

 

また、うんちが溜まって直腸が広がることで便意を感じるのですが、うんちがずっと溜まっているとうんちが溜まることに直腸が慣れてしまい便意を感じなくなり、さらにうんちを出すことができなくなってしまいます。

これがふたつめの悪循環です。

 


便秘を解消する食生活は水分と食物繊維だけじゃない?

 

便秘解消には水分と食物繊維とよく言われます。これらもたしかに大事ですが、水分と食物繊維は摂れば摂るほど効果が出るわけではありません。「水分はしっかり飲ませてるし、食物繊維も頑張ってるんですけど…」と相談されることも少なくありません。

 

他にお勧めしていることとして、オイルの摂取腸内細菌バランスの改善があります。

 

お子さんの食事って、意外とオイルが少ないんです。オイルを摂ることで、腸の動きが良くなったり、うんちが柔らかくなってうんちが腸の中でスムーズに流れる効果が期待できます。オイルは、オリーブオイルなどをスープや煮物などに追加することで簡単に摂ることができます。うんちが固くて出しづらいお子さんには日々の食事にオイルを追加することをお勧めします。

 

腸内細菌のバランス改善は、効果が出るお子さんと出ないお子さんがいますが、便秘で困っている場合は試してみることをお勧めします。方法としては、毎日ヨーグルトを摂る整腸剤を飲むオリゴ糖を飲むなどがあります。お子さんに合った方法を見つけてあげられるといいですね。

 


便秘をしっかり治すには薬も必要です

 

食習慣を改善するのも重要ですが、上記のような悪循環にならないように、便やお腹の様子を診ながら便秘薬や浣腸をうまく使って排便コントロールを行うことも重要です。

「便秘薬や浣腸はくせにならないですか?」とよく質問されますが、便秘薬や浣腸がくせになることはありません。薬を中止すると便秘に戻ってしまうのは、薬が必要な体になってしまったわけではなく、まだ薬が必要な状態にあるということです。

便秘の状態を長引かせてしまうと悪循環のために便秘が治りにくくなってしまうため、そうなる前に便秘薬や浣腸をうまく使ってうんちを出せるようにしてあげることが大事です。

 

便秘薬には大きく分けて2種類あります。

ひとつはうんちに水分を貯留させる薬、もうひとつは腸の動きを良くする薬。

 

うんちに水分を貯留させる薬には、モビコール酸化マグネシウム(カマ、カマグ、マグミット)などがあります。

うんちの様子やお腹の様子を診て、うんちに水分が必要そうであればこれらのお薬を使います。

使いすぎると便が柔らかくなりすぎるので、うんちの様子をみて量を調整します。

 

腸の動きを良くする薬には、ピコスルファート(ラキソベロン)などがあります。

うんちに水分を貯留させる薬で効果が不十分の場合、追加して使うことがあります。量が多いと便が柔らかくなったり、お腹が痛くなったりすることがありますので、少量から開始し少しずつ量を増やしていきます。

 

便秘薬は比較的安全に使うことができるお薬です。

お子さんがうんちで困っているときには、かかりつけの小児科で相談して便秘薬の使用を検討しましょう。

 


当院では、お子さんの排便状況、お腹の様子をしっかり確認して病気が隠れていないか確認した上で、必要な生活習慣・食習慣のアドバイスを行います。そして必要に応じて、適切なお薬でうんちの手助けをしていきます。

うんちのことで困っていることがありましたら、ぜひご相談ください。

うみまちこどもクリニック
院長 大谷岳人

うみまちこどもクリニック 院長 大谷岳人

資格

  • 日本小児科学会 小児科専門医

所属

  • 日本小児科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児感染症学会

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