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うみまちブログ

子どもにも使える虫除けは?

「気づいたら子どもが虫に刺されていた」という経験をされた親御さんも多いのではないでしょうか。

 

子どもは汗っかきで体温が高いため、大人よりも虫に刺されやすいと言われています。

また、虫に刺されても本人が気づかなかったり刺された反応が強く出たりするため、虫刺されの跡が目立ちやすいです。

 

見た目が気になったり子どもが痒がったりするだけでなく、ばい菌が入って化膿したり、掻きむしってとびひになってしまうこともありますので、虫刺され対策はしっかりしておきましょう。

 

虫刺され対策としては、衣類で防御すること虫除け剤を使うことが大事です。

お子さんの虫刺されとその対策について解説していきます。

 


子どもは虫刺されの反応が出るのが遅い

 

虫刺されへの反応は、生まれてから成長するにつれて

【反応しない→翌日くらいから反応が出る→すぐに反応が出て翌日以降にも反応が出る→すぐに反応が出る→反応が出ない】

と変わっていきます。

 

生まれた直後は虫に刺されてもあまり反応しません。

虫刺されの反応は体のアレルギー反応で、生まれたての赤ちゃんはまだアレルギー反応を出す力がないからです。

 

成長に伴い虫刺されに対して赤く腫れる反応が出てきます。

しかし、乳幼児の間は虫に刺されてから反応するまで1日以上かかることが多いです。(遅延型アレルギーと呼ばれます)

子どもの虫刺されを発見したときに、「虫に刺されるようなところには行っていないのに…」と思うのは、虫刺されから反応までに思っている以上の時間がかかっているからなのです。

またこの時期は、虫刺されの反応が強く出やすいのも特徴です。

 

幼児期をすぎると虫に刺されてからすぐに反応するようになってきます。

(即時型アレルギーと呼ばれます)

 

そしてさらに成長を重ね、虫刺されの経験が増えると、虫刺されに対する反応がなくなっていきます。

「虫に刺されてもあまり反応しないよ」という方は、お年を召されている虫刺されの経験が豊富な方かもしれませんね。

 

(これらの反応には個人差があります)

 


虫刺され対策はどうしたらいい?

 

虫刺されへの対策で重要なことは、まずは衣類で防御すること。

 

暑さ対策との兼ね合いにはなりますが、首元、袖口、ズボンの裾から虫が入ることが多いので、草木や水のある場所(公園やアウトドア)に行く際は、長袖・長ズボンで肌を覆ってあげるなどの対策を取りましょう。

(熱中症対策にも、風通しの良い長袖・長ズボンで直射日光を避けることが大事です)

 

また、虫除け剤を使用するのも重要です。

「子どもにも虫除け剤を使ってもいいのですか?」とよく質問されますので、子どもに使う虫除け剤を選ぶときのポイントを説明しますね。

 


子どもにも使える虫除け剤は?

 

虫除け剤に使われる成分は、「ディート」「イカリジン」「天然成分(ハーブ類)」の3つに分けられます。

 

「ディート」は、昔からよく使われている虫除け剤で、高い虫除け効果が期待できます。

しかし、子どもへの使用は年齢によって制限されており、

生後6ヶ月未満:使用禁止

生後6ヶ月〜2歳未満:1日1回まで

2歳〜12歳未満:1日3回まで

12歳以上:制限なし

となっています。

ディートは肌が弱いお子さんには刺激になることもありますので、お子さんに安心して使いたいならディート不添加の製品を選びましょう。

アウトドアに出かけるときなどにしっかりした虫除け効果を得たいときには、ディート入りの虫除け剤を製品に表示された使用方法を守って使用すると良いでしょう。

 

「イカリジン」は、2015年から日本でも承認された虫除け剤で、肌への刺激が少なく、子どもでも制限なく使用することができます

虫除けの効果もディートとほぼ同等と言われており、市販の虫除けで「お子様にも使えます」と表記されている商品は、イカリジンが使われているものが多いです。

 

上記2つの化学物質と異なり、天然成分のユーカリやハッカ油も虫除け剤として使われています。

ディートやイカリジンと比べると持続時間で劣りますが、少しの時間の外出であったり繰り返し塗ることができる場合は、問題なく使用できると思います

 

ただ、天然成分=安全というわけでもありませんので、使用しながらその商品がお子さんに合っているか、使用状況に合っているか、効果が得られているかを確認しながら虫除け剤を選ぶとよいでしょう。

 


日焼け止めと一緒に使うときはどうしたらいい?

 

虫除け剤は表面に付着していることで効果を発揮するため、日焼け止めと一緒に使うときは、まず日焼け止めを塗り、その上から虫除け剤を塗りましょう

 


まとめ

 

お子さんを虫刺されから守るために、衣類で肌を覆うこと虫除け剤をうまく使うことが重要です。

 

虫除け剤は、「ディート」「イカリジン」「天然成分」に分けられ、「イカリジン」「天然成分」はお子さんにも制限なく使うことができます

製品に表示された使用方法を守ることで、安心して虫除け剤を使用することができます。

 


虫刺され跡は、ばい菌が入って化膿したり、掻きむしってとびひになってしまうこともありますので、腫れやかゆみが強い場合は病院を受診しましょう。

当院でも、虫刺されの反応の強さに合わせてステロイド外用薬やアレルギーを抑える飲み薬を使って治療しますので、虫刺されでお困りの際は一度ご相談ください。

うみまちこどもクリニック
院長 大谷岳人

うみまちこどもクリニック 院長 大谷岳人

資格

  • 日本小児科学会 小児科専門医

所属

  • 日本小児科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児感染症学会

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