当院を受診されたときに、お子さんのおむつかぶれを相談していただくことがあります。
私の子どもも乳児期の頃に下痢が長引いて、おむつかぶれがひどくなり苦労したことがあります。
おむつかぶれができて赤くただれてしまうと、お子さんも痛がってしまって、見ている方もつらいですよね。
今回は、当院の外来でよく説明している、おむつかぶれに対して知っておいてほしい点についてお話しようと思います。
おむつかぶれの原因
おむつかぶれは、おしっこやうんちの汚れ、蒸れ、オムツ替え時の刺激が原因となります。
特に下痢などの緩いうんちは、うんちの刺激と蒸れがダブルパンチで影響するため、かぶれやすくなります。
そのためおもつかぶれの対策として、
汚れがつかないように清潔を保つ、蒸れさせない、刺激を減らす
ことが重要になります。
おむつの中にあせもができることもあります。
あせもに関しては、こちらの記事をご参照ください。
おむつかぶれと軟膏
おむつかぶれには、一般的に亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)という軟膏を使うことが多いです。
亜鉛華単軟膏によく似た軟膏に亜鉛華軟膏という軟膏もあります。
亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)と亜鉛華軟膏は基本的に同じものですが、使用している油などが異なり、亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)の方がしっとりとして皮膚に付着しやすい特徴があります。
この亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)は特徴的な使い方をします。
亜鉛華単軟膏(サトウザルベ)を陰部にベッタリと厚く(1-2cmほど)塗ります。
ほとんどの親御さんから「えー、こんなに塗るんですね!」という声が聞かれますが、こんなに塗るんです!
そしておむつ交換の際に、付着したうんちを亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)ごと拭い取ります。
このときの注意点として、皮膚にある程度の亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)を残したまま亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)の表面部分だけをうんちと一緒に取り除いてください。
皮膚に付着した亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)を拭いてしまうと皮膚に刺激を与えてしまい逆効果になってしまいます。
そのため、亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)は厚く塗ってください。
1日1回、入浴時にシャワーで亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)を全て落としてあげてください。
また、下痢の回数が多いときには、おむつ替え時にお尻のシャワー浴をすることもあると思います。
その時は石鹸は使わず、乾かすときもお尻をゴシゴシこすらず、ポンポンと押し当てて水気をとってあげましょう。
石鹸を使って亜鉛華単軟膏(サトウザルベ)をしっかり洗い落とすのは1日に1回で十分です。
とにかく、荒れた部位に刺激を与えないようにして、清潔を保つようにしましょう。
おむつかぶれとカビ
おむつかぶれがなかなか治らないと思ったら、実はカビが原因だった、なんてこともあります。
乳児の陰部にはカンジダというカビが感染することがあります。
カビというと、ご自宅の中でもお風呂場や洗濯機など、湿気が多いところによく見られると思います。
おむつかぶれを起こしている陰部も、蒸れて湿気が多く、カビが増殖しやすいのです。
また、おむつかぶれで皮膚が荒れているため、皮膚のバリア機能が壊れてしまい、カンジダ(カビ)が皮膚の中に入り込み感染を起こしやすい状況になっています。
乳児のカンジダ(カビ)感染では特徴的な赤みと発疹が見られますので、陰部に赤みやぶつぶつがあるようなら、一度小児科で診てもらうことをお勧めします。
おむつかぶれがひどいときには、カビを治療する軟膏やびらん改善の軟膏、ステロイド軟膏などを使用することもありますので、おむつかぶれで困っている際にはぜひ一度ご相談ください。
一緒に治療・改善策を考えていきましょう。