2020年10月1日から予防接種のルールが大きく変わります。
これまではワクチンを接種した後、一定の間隔をあけないと次の予防接種が打てませんでしたが、10月1日からそのルールが撤廃されました。
待ち望んでいたこのルール変更について、少し詳しくお話します。
※ 注射生ワクチン = BCGワクチン、MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくワクチン
※ 不活化ワクチン = 上記以外の注射ワクチン
(インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチン、日本脳炎ワクチンなど)
これまではワクチン接種時に、
というルールがありました。
接種間隔をあける理由として、
・ワクチン同士が干渉して効果が減弱する恐れがあるため
・副反応が出た場合、どのワクチンが副反応を起こしたかわかりにくくなるため
と説明されてきました。
注射生ワクチンと注射生ワクチンを4週間の間隔をあけずに接種すると、ワクチンが干渉して効果が減弱する可能性があります。
しかし、それ以外のワクチンでは間隔をあけずに接種しても効果が減弱することはないことがわかっています。また、間隔をあけずに接種することで副反応が増えることもありません。
そのため、注射生ワクチンの次に注射生ワクチンを接種する場合を除いて、接種間隔をあける必要はありません。
実際に海外では注射生ワクチン以外は間隔をあけずに接種していますが、効果の減弱や副反応の増加はみられていません。
日本でもようやく今回のルール改定となりました。
2020年10月1日以降の接種間隔のルール
極端なことを言うと、
MRワクチン(注射生ワクチン)を接種した翌日にインフルエンザワクチン(不活化ワクチン)を接種することも可能となりました。
ただし、同じ種類のワクチン同士はそれぞれのワクチンで決められた間隔をあける必要がありますのでご注意ください。
(インフルエンザの場合、2〜4週間あけるなど)
乳幼児期は予防接種の回数がとても多く、スケジュールもかなり複雑です。
そこにインフルエンザワクチンのスケジュールを組み込むのはなかなか大変でした。
しかし、今回の改定でインフルエンザワクチンは他のワクチンとの間隔を気にすることなく接種することが可能となりました。
複雑な予防接種を少しでも打ちやすくしようと日本小児科学会が国に働きかけてきた結果、今回の改定となりました。
それでも予防接種のスケジュールは複雑です。
お子さんのワクチンが全て接種できているか心配されている親御さんも多いと思います。
実際、当院で予防接種を受けられた際に、接種漏れのワクチンに気づき接種を勧めさせていただくことも多いです。
お子さんの予防接種のことで気になることがありましたが何でもお気軽にお問い合わせください。
予防接種スケジュールの相談や接種可能なワクチンの確認などさせていただいています。