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うみまちブログ

新型コロナウイルス感染症〜子どものオミクロン株感染の現状〜

クリニックで勤務する小児科医の立場から、現在のオミクロン株流行について解説します。


記事の要点は以下のとおりです。

・オミクロン株流行のため子どもの感染者数も増えていますが、発熱・咽頭痛が主な症状でほとんどの場合2〜3日で回復しています。

・濃厚接触者や陽性患者さんの対応のためクリニックの医療が逼迫してきています。

・迅速抗原キットやガウン・N95マスクなどの物資が不足してきています。

・濃厚接触者でも症状がなければ必ずしも検査が必要なわけではありません。

・社会機能の維持やクリニックの通常診療維持のため、濃厚接触者の対応や症状出現時の対応を見直す必要があるのではないかと思います。


まずは2022年1月以降の新型コロナウイルス感染症の感染状況です。

(出典元:厚生労働省 データからわかる −新型コロナウイルス感染症情報− )

2022年1月18日の週別年代別陽性者数を見ると、20代の感染者数が圧倒的に多いことがわかります。

また、10代や10歳未満の陽性者数も増えてきています。デルタ株のときと比べ、10代や10歳未満の患者数はさらに増えています。

 

町田市の年代別感染者数はこのようになっています。

(出典元:町田市における新型コロナウイルス感染症の状況

町田市の新規陽性者数も、20代が一番多く、10代、10歳未満の感染者数も多く見られています。

 

感染経路としては、家族内が多いですが、その他に会食や学校、塾・課外活動、幼稚園・保育園などでの感染も多く見られてきています。


当院でも、発熱で受診され検査をすると陽性になる患者さんが増えてきています。

 

しかし、子どもの感染者の診療をしていて軽症の患者さんが多いという実感があります。

症状は発熱と咽頭痛が多く、ほとんどの場合2〜3日で回復しています。3日目くらいからはいつもと同じくらい元気になっているお子さんが多く、咳や痰が数日〜1週間ほど残ることがありますが、肺炎になることはまれです。


感染者数がこれまで経験したことのない数になり、医療の歪が見られ始めてきています。

デルタ株までは重症患者を対応する病院の医療逼迫が問題でしたが、オミクロン株が流行している現在は、重症患者が少なく軽症の感染者数が多いため、クリニックの医療崩壊の危機を感じています。

 

濃厚接触者の対応、発熱患者さんの診察・検査・処方、陽性患者さんの発生報告手続き・電話診療対応など、新型コロナウイルス感染関連の業務に追われ、通常診療に支障が出てきています。

 

発熱患者さんを診察するためには、ガウンや手袋、フェイスシールドなどの着脱が必要となり、普段の診察に比べとても時間がかかります。

PCR検査を提出するためには、感染防御を行いながら検体採取を行う医師と看護師、検体を受け取り梱包する看護師が必要であり、人手が多く取られます。

感染防御に気をつけながら保険証・医療証を受け取って受付手続きを行ったり、診察室から出ることなく会計を行う必要があり、医療事務の人手も必要となります。

処方せんを発行した場合は、感染が疑われる方が薬局に行かずに済むように、薬局に処方せんを届けたり、薬局から患者さんに薬を届けられるように薬局の方とやり取りをしたりします。

 

これまでは感染が拡がらないように濃厚接触者はPCR検査を受ける方針でしたが、濃厚接触者が急増しているためすべての方にPCR検査を実施することが困難になってきています。

濃厚接触者の方は自宅で待機をしながら症状の出現に注意していただき、症状が出てきたら医療機関で相談するといった方針転換の検討も必要です。

 

2022年1月24日、厚生労働省は以下の方針を発表しました。

「若年層で症状が軽く重症化リスクが低い感染者は、医療機関を受診しなくても自身でウイルス検査を行うことで自宅療養の開始を認める」

つまり、自身で迅速抗原検査キットを実施して陽性になれば、医療機関を受診することなく自宅療養を行って良いということです。

 

また医療資源の枯渇も深刻です。

すでに迅速抗原検査キットが手に入りにくくなってきています。まだ在庫はありますが、業者さんに注文してもすぐには入荷できないとの返事で、いつ検査キットがなくなるかわからない状態です。

ガウンやN95マスクも入荷日が未定であり、これらがなくなると発熱患者さんの診察が行えなくなります。


濃厚接触者の待機期間の短縮や条件緩和なども検討されており、いかに社会生活を維持していくかが課題となっています。

うみまちこどもクリニック
院長 大谷岳人

うみまちこどもクリニック 院長 大谷岳人

資格

  • 日本小児科学会 小児科専門医

所属

  • 日本小児科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児感染症学会

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