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うみまちブログ

百日咳が流行しています −三種混合ワクチンは接種しましたか−

2024年後半から、全国的に百日咳の患者数が増加しています。特に2025年に入ってからはこれまでにない規模での流行となっており、地域によっては学校での集団感染も報告されています。

百日咳は適切な時期にワクチン接種することで予防することができます。年長以降に三種混合ワクチンを接種していないお子さんは、この機会にぜひ接種をしましょう。


 

百日咳ってどんな症状?

百日咳は「百日も咳が続く」と言われるほどの強い咳が特徴の感染症で、ワクチン接種が進んでいない乳児がかかると命に関わることもある病気です。

乳児期のお子さんは、息継ぎができないほど咳き込んで顔を真っ赤にしたり、咳の後に「ヒュー」と音を立てて大きく息を吸う症状が特徴的です。小学生くらいのお子さんは、特徴的な咳が出ないこともありますが、咳が1-2週間続いて良くならない場合は、流行状況によっては百日咳を疑うことがあります。


 

なぜ今、百日咳が増えているのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴いマスクや手洗いを徹底したり人と人の接触が減ったりしたことで、2020年から2023年の間は百日咳の感染者数は極端に少なくなっていました。その反面、百日咳に自然に触れる機会が減り、免疫を持たない人が増えていたと考えられ、コロナ禍の後に通常の生活に戻る中で、2024年後半から百日咳患者が急増してきました。

参照:東京都感染症情報センター -百日咳の流行状況-


 

小学生が百日咳にかかりやすいのはどうして?

百日咳はワクチンで予防できる病気です。生後2か月から1歳半までの間に4回接種する四種混合ワクチン(または五種混合ワクチン)によって、抗体を獲得することができます。

しかし、このワクチンで得られる百日咳に対する免疫は数年で低下してしまい、小学校入学の頃にはすでに抗体が少なくなっていることがあります。そのため、百日咳患者は小学生に多く、小学校で集団感染が報告されることもあります。


 

就学前に三種混合ワクチン(DPT)を追加接種しましょう

こうした背景から、小学校に上がる前の年長児で三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)を追加で接種することが推奨されています。年長児で接種するMRワクチン、おたふくかぜワクチンと同時に接種することがおすすめです。
この追加接種により、百日咳への免疫を再び高めることができ、小学校で感染するリスクを下げることが期待されます。

実際に、年長児に三種混合ワクチンを接種している国では、小学生以降の百日咳の発症率が抑えられているという報告もあります。

また、11〜12歳で接種する二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)の代わりに三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)を接種することもできます。ただし、二種混合ワクチンは公費で接種できますが、三種混合ワクチンは自費でお金がかかることに注意が必要です。

三種混合ワクチンは小児科などで接種することができます。

年長以降に三種混合ワクチンを追加接種していないお子さんは、お近くの小児科で早めに接種を済ませましょう。

うみまちこどもクリニック
院長 大谷岳人

うみまちこどもクリニック 院長 大谷岳人

資格

  • 日本小児科学会 小児科専門医

所属

  • 日本小児科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児感染症学会

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