「うちの子、もしかして花粉症かも!?」と思いながら、毎年そのままにしていませんか?
花粉症は花粉が飛散し始める前に薬を使うことで、症状を軽減することができます。
そろそろ花粉症の症状でクリニックを受診する方も増えてきました。
今のうちに花粉症対策をしておきましょう。
最近は、花粉症を発症する方の割合が増えており、
スギ花粉症を持っている方は、1998年の16.2%から2008年には26.5%へと増加しています。
発症する年齢も低年齢化してきており、
2歳ごろから花粉症の症状が出始めることがあります。
小さいときから花粉症対策を行うことが大切です。
花粉症は毎年同じ季節に同じ症状を認めることが特徴です。
町田市の場合、花粉が多い時期は以下のとおりです。
ハンノキ:1〜6月
スギ:2〜4月
ヒノキ:3〜5月
イネ科:5〜6月
ブタクサ:9〜10月
ヨモギ:9〜10月
毎年特定の時期に、サラサラの鼻水、くしゃみ、鼻詰まり、目のかゆみなどがある場合は、花粉症の可能性が考えられます。
小さい子ほど、初期は風邪との見分けがつかない場合もありますが、
喉と鼻の診察をしたり、血液検査をしたりすることで診断することができます。
症状がアレルギーによるものなのか、
アレルギー性鼻炎の原因は何なのか、
これらをはっきりさせるためには血液検査が有用です。
原因がはっきりすれば、原因となる花粉の時期に花粉を避けるようにしたり、アレルギーの薬を使ったりするなど、対策を取ることができます。
毎年スギ花粉の季節に鼻水と目のかゆみが出るなど、明らかにスギ花粉症が原因と分かっている場合は血液検査は不要です。
血液検査は何歳からでも行うことができます。
しかし、アレルギーの血液検査は1歳未満のお子さんでは精度が低かったり、そもそも2歳くらいまで花粉症を発症することがなかったりしますので、お子さんの年齢や症状に応じて必要な検査を相談してみましょう。
花粉症対策で大切なことは、花粉をできるだけ体内に入れないこと、症状を軽減する薬を使うことです。これらは子どもの場合も同じです。
花粉を体内に入れないためには、以下のような工夫をしましょう。
・マスクや眼鏡をする
新型コロナウイルス感染症対策のためマスクを着用することが当たり前になったことで、花粉症の症状も軽減されるのではないかと思われます
・帰宅時に服についた花粉を払い落としてから家に入る
・家に帰ったら、手洗い、うがい、洗顔をして花粉を洗い流す
・洗濯物は外に干さない
・空気清浄機で空気をきれいにする
・部屋を加湿して花粉が舞い上がらないようにする
お子さんの場合も、大人と同じでアレルギーを抑える飲み薬や目薬、点鼻薬が効果的です。
花粉症の症状が出始める2週間ほど前からアレルギーを抑える薬を使い始めることで、効果的に症状を軽減することができます。
お子さんの花粉症の原因をしっかり把握し、原因の花粉が飛び始める前から薬を使い始められるといいですね。
飲み薬は、抗ヒスタミン薬というアレルギーを抑える薬を使います。
抗ヒスタミン薬は、アレルギーを抑えるとともに脳の働きも抑えてしまうことがあります。
脳の働きが抑えられてしまうと、眠くなってしまったり、眠気を感じなくても集中力が低下していることもあります。
抗ヒスタミン薬の種類によって脳に作用する程度が異なりますので、お子さんの状態に合わせて適切な抗ヒスタミン薬を選ぶ必要があります。
目がかゆい、目をこすってしまう、目が充血しているなどの症状がある場合は、アレルギーを抑える目薬を使って症状を軽減しましょう。
鼻詰まりがひどいときは、鼻の粘膜の炎症を抑える点鼻薬を使用します。
症状に応じて使用する薬が異なりますので、病院で症状を伝えて相談してみましょう。
花粉症を治す方法として「舌下免疫療法」があります。
実際は花粉症を完全に治せるわけではないのですが、花粉症の症状を軽くする効果が期待できますので、花粉症症状に悩んでいる方にはぜひお勧めです。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉をお薬として毎日投与することで、徐々に体を慣らしていく治療です。
花粉が飛んでいない時期に開始して、毎日続けていきます。数ヶ月ほどで効果が現れ始め、数年間継続していきます。
錠剤を舌の下に保持する必要がありますので、だいたい5歳くらいから始めることができます。
舌下免疫療法は実施している病院が限られますので、かかりつけクリニックで相談できるか確認してから受診するようにしてください。
(当院でもスギ花粉とダニの舌下免疫療法を行っています)
子どもの場合、症状がはっきりしないため花粉症による症状が見逃されてしまうこともあります。
花粉症は早めに薬を使うことが大事です。花粉症の時期に鼻水や鼻詰まり、目のかゆみなどが気になる場合は、病院で相談してみましょう。