お子さんの喘息は上手にコントロールできていますか?
「時々ヒューヒューするけれど、家で吸入したら落ち着く」
「走り回ったときに咳き込むことがある」
実はこれらは黄色信号です。
喘息の多くは気道のアレルギーが原因です。
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質のあるお子さんが、ダニやハウスダストなどを吸い込むことで徐々に気道のアレルギーを起こし、喘息の状態となります。そして風邪(ウイルス性気道感染症)や気温の変化、煙などの刺激で喘息発作を発症します。
重要なことは、喘息をもっているお子さんは発作が起きていない(見た目には異常がない)状態でも気管支に炎症が起きているということです。
出典:小野薬品工業株式会社
喘息のお子さんは、気管支の炎症の程度、つまり喘息のコントロール状態を把握しておくことが大切です。
喘息のコントロール状態を把握するには、以下の点を確認します。
・喘息症状の頻度
・喘息症状の強さ
・夜間に症状があるか
「時々ヒューヒューするけれど、家で吸入したら落ち着く」
というような軽い発作でも、週1回以上あるようなら喘息コントロールはよくありません。
また、「走り回ったときに咳き込むことがある」
という症状も、運動誘発性喘息といって喘息発作の可能性があります。
つまり、一見発作が落ち着いているように見えても、気道に炎症が残っている可能性があるため、ご自宅でもこれらの症状がないか注意して観察していただき、定期的にかかりつけの小児科で経過を相談してください。
お子さんの状態をWebで簡単にチェックできるサイトがありますので、ぜひご活用ください。
喘息のコントロールがよくない場合は、気管支の炎症を抑える飲み薬(シングレア、キプレス、モンテルカストなど)を飲んで治療します。
それでもコントロールされないときは、吸入ステロイドを追加することもあります。
数カ月間、喘息のコントロールが良好であれば徐々にお薬を減らしていくことも可能です。
喘息は、適切にコントロールをすることで、制限なく日常生活を送ることができ、多くのお子さんが大人になるまでに治っていきます。
しかし、コントロールの悪い状態が続くと、喘息発作が起きやすかったり、喘息が治りにくくなってしまいます。
そうならないように、かかりつけの小児科で相談しながら管理と治療を継続していきましょう。